ペーパークラフトの設計と組み立て時の課題のひとつに、「サイコロ構造最後の一片問題」(勝手に命名)があります。
接着剤の塗布されたのりしろは指先やピンセット等でしばらく挟んで圧迫しておくことで、紙の内部まで接着剤が浸透して固まる事により、しっかりと接着されます。逆に、接着剤を塗布したのりしろを片側から軽く押さえただけでは接着剤の浸透が少なくなり、接着面も小さくなってしまい接着力が弱くなってしまいます。
■構造的な対応(作家が設計)
○最後の辺に穴を開けておき、その穴を通してピンセットなどでのりしろを挟んで圧迫し、乾燥後に辺に空いた穴を別パーツで塞ぐ方法。
これは私が主に採用している方法です。ただし穴を塞ぐためのパーツの厚みが僅かですが プラスされてしまうという欠点もあります。
○展開図を厚紙でプリントする方法。
厚紙自体の張りを利用する方法です。薄い紙に比べのりしろが強いので、外側から押さえるだけでも圧力がかかり、しっかり接着できます。ただし、紙の厚さが展開図の設計時の想定外なので、全体の歪みに通じる可能性があります。
○構造物の中に詰め物をする方法。
とてもシンプルな方法ですが効果的です。ティッシュペーパーなどを中に詰めておき、その反発力を利用して上から押さえて接着できます。これは擬似的なフレーム構造とも言えます。また構造物の強度が増しますので、凹んだまま戻らなくなるという事故が減少します。ただし、多少ですが完成時の重量が増します。
他にも様々な対処法があるかと思います。造形にベストな方法を常に模索し、ご提供していくのがペーパークラフト作家の使命のひとつであると思っています。
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