完成作品の長期保存について

2023年3月5日日曜日

一般の方向け

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 ペーパークラフトは素材が紙ですので、湿度による伸縮や、光による色褪せなど、環境による影響を受けやすいのです。

完成品を箱に仕舞って保管するのでしたら比較的に劣化は少ないのですが、生活環境下で5年、10年と長期の展示をする場合は、下記の要件についての検討をおすすめいたします。


●展開図のプリント時に顔料インクを使用するプリンターを使う。
プリンターインクには顔料と染料があります。顔料インクは光による退色が少なく、染料は光の影響を受けやすいという特性があります。顔料インクは染料インクより多少割高なのですが、作品の長期保存に向います。
詳しくは「印刷する道具」ページをご参照ください。
また、カラーレーザープリンタでプリントした展開図も長期保存に向いています。レーザープリンタはインクジェットプリンタより大型で高重量なので家庭向きではありませんが、光による退色は顔料インクよりも少ないのです。


●ペーパークラフト用の透明ニスをスプレーする。
ペーパークラフト用の透明ニスをスプレーすることで、湿度の影響を軽減することができます。スプレー後は硬化するので、構造の強化にも繋がります。

ただし、ニスの硬化後はツヤのある表面になってしまいますので、マット仕上げの模型には不向きです。
また、レーザープリンタで出力した用紙は、トナーが溶け落ちてしまう可能性がありますのでご注意ください。


●ディスプレイケースに入れる。
アクリルケース等に入れて保管することで、不意な破損や埃などから保護する事ができます。
普段はケースの上に布などを被せておけば、光からの保護もできます。
ディスプレイケースはアマゾンなどで購入できます。

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杉並区, 東京都, Japan
ペーパークラフト専門サイト「紙模型工房」(https://papermodel.jp/)代表・ペーパークラフト作家。 広報とDTPデザインの経験を活かしながら、クライアント様のご要望にマッチしたペーパークラフト設計を心がけています。

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